「消火ジェット」

部屋からこんなのが出てきた。

見ての通り消火スプレー。韓国製。だいぶ昔(確か高校の頃)、アキバを歩いていたらワゴンで1000円くらいで売っていたので、なぜか2缶も買ってしまったもの。
で、買ったことも忘れてジャンク箱に放り込んでおいたこのスプレー、よく見ると缶底がさびてる。使用期限も去年までになってる。

その他全体的にさび始めていて、爆破しそうで危ないので捨てようと思ったら、なんと薬剤主成分に「ハロン1211」の文字が。

ハロン1211は、ブロモクロロジフルオロメタン(CBrClF2という化学物質で、名前の通りフロンに近いらしい。決して長さの単位ではない(笑)。この物質、消火能力が非常に高い上に人体に無害で、消火後の汚損がないので昔は消火設備に使われてた。ところが、フロンと同じくオゾン層破壊係数が大きい(普通のフロンCFC11の3倍)ので、オゾン層の保護に関するモントリオール議定書に基づく国内法で、1994年以降の日本国内での製造や輸出入が禁止されている(オゾン層保護法:「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」)。*1
で、1994年以降国内に残存しているハロンを回収する*2NPO法人消防環境ネットワーク」(旧「ハロンバンク推進協議会」)では、業務用に使われていたハロン(電算機室や駐車場などに使われていた)は回収しているけど、家庭用のスプレー式消火用具に使われていたハロンは回収していないらしい。

ということで、このスプレーの処分に困ってしまった。
オゾン層に罪悪感を感じつつ、庭かどっかで噴出させるしかないのかなぁ…*3

*1:ところが、モントリオール議定書5条に定められている開発途上国では2010年まで生産が許されており、しかもオゾン層保護法は物質そのものの輸出入を禁じてはいるが製品の輸入は禁止していないため、結果として5条国である韓国でハロン1211を製造し、缶に詰めて日本に輸入しても法的には問題ないんだって。

*2:正確には、回収してクリティカルユースに再利用する

*3:ちなみにハロンガスを吸い込むとヘリウムガスのように声が変わるらしい(笑)